第2章 紫色のキセキ。
黄瀬ちんのおごりで
みんなでアイスを食べた。
「みんなひどいっスよー…モデルってったってそんな稼ぎないのに…。」
「黄瀬くん!ありがとう!アイス美味しいです!!」
るりちんは嬉しそうに笑うと、
そう言って黄瀬ちんに頭を下げた。
「はぁ…。まぁ、るりちゃんのその笑顔が貰えるなら安いもんっスかね?欲を言えばもっと何かご褒美が…グハッ」
俺は赤ちんの指示で黄瀬ちんの頭を
ひねりつぶした。
「黄瀬ちん調子乗りすぎぃー。」
「ったく。油断の出来ない奴だな。」
赤ちんはそう言って溜息をつくと静かに笑い、
るりちんの方を向いた。
「るり。そっちは何味だ?」
「へ?えっと、私のは苺味です。」
「僕のはバニラだ。少し交換しないか?苺も食べてみたい。」
「へ!?あ、は、はい。」
るりちんは少し頬を赤く染めながら
赤ちんとアイスを交換していた。
なんだか入り込めないような
そんな感じだった。
赤ちんには敵わない。
いつだって
そう思っていた。