第2章 紫色のキセキ。
「あのさ、さっきから耳障りなんだけど。」
俺がそういうと
るりちんは目を丸くした。
そして理解したのか顔をうつむけた。
「あ、す、すいません。」
「大体さ、応援してなんの意味あんの?頑張れ!って言われなくても頑張ってんだけど?あんたには俺たちが頑張ってないように見えるの?」
彼女はどんどんと小さくなるようだった。
「ちょ!むっくん!そういう意味じゃないから!それに応援するのが普通じゃない。ねぇ?るりちゃん!」
さっちんが慌てて俺とるりちんの間に割って入る。
「…えっと…。」
るりちんは何を言えばいいのかわからず
困った顔をしていた。
多分、なんて言えば自分が嫌われないか考えてるんだ。
「すいませんでした…。」
考えた末に出た言葉はそれだったようだ。
「何?謝るって事は自分が悪いって認めたって事?で?その耳障りな応援やめてくれんの?」
俺はうつむいている彼女の顔を覗き込むように
そう言うと彼女は顔を上げた。
「紫原くんが嫌だと言うのなら辞めます。」
本当に?
どうせ勢い余ってまた『頑張って!』とか
言っちゃうくせに…。
その時はまた強く言っちゃうよ?
俺意地悪だし。
「それ、ちょっと待ってほしいです。」
「「うわぁぁ!?」」
突然背後から黒ちんが現れて、
俺とるりちんは飛び上がった。