第2章 紫色のキセキ。
今日は2軍の試合に手伝いで入っていた。
当然相手はクソ弱い。
そのくせして2軍の奴らはボロ負けしていた。
そんな弱いんならバスケなんてやめればいいのに。
俺が入ってからはあっと言う間に逆転した。
試合が終わると、るりちんが
嬉しそうにニコニコと笑顔でタオルとドリンクを持ってきた。
「お疲れ様です!今日もすごかったです!」
すごい?
当たり前じゃん。
俺のほうが他の奴より断然身長高いし。
「ん~。ねぇ、それよりお菓子食べたいんだけど。」
「え!?試合後すぐに食べたら具合悪くなりませんか?」
るりちんは心配そうに俺を覗き込む。
「え~?ならないよぉ。お菓子は正義だからねっ!」
「…えっと…。」
るりちんは困った顔をしていた。
なんとなくだけど、
この子は一番困った表情が可愛い気がする。
だからついついわがままを言って
彼女を困らせたくなっていた。
「いいじゃーん。頂戴よぉー!」
「せめて、着替えてからにしましょう!」
るりちんは思いついたようにそう言った。
「えー?じゃぁ着替え手伝ってよぉー。」
「っえ!?」
そう言うと彼女は顔を真っ赤にした。
冗談なのに真に受けてバカみたい。
でも、可愛いなって思ってしまう。