第1章 緑色のキセキ。
赤司の前には短い黒い髪の後姿が立っていた。
ぞっとした。
まさかそんなわけない。
あれが神谷なわけがない…。
「るりちゃん!?」
桃井のその声に振り返ったその主は
紛れも無く神谷だった。
俺はまた彼女を守ることが出来なかった。
「るり。賭けをしよう。高校で君は必ずまたバスケのマネージャーをするだろう。その時に君の在籍するチームが僕のチームに勝つことが出来たら…僕は君を自由にする。」
赤司のその提案に神谷はポカンとした様子だった。
「…。」
「もし君のチームが負けたら…君は一生僕のものだ。」
「もし、私がマネージャーをしなかったら…?」
「君はまた必ずマネージャーになる。僕にはわかる。」
そう言って赤司は笑った。
「君が僕のものになる事は決まっている。また、高校になったら迎えに行く。」
赤司はそういうと去って行った。
神谷はその場にペタンと座り込んだ。
すぐに桃井が駆け寄った。