第1章 緑色のキセキ。
慌てて見回しても二人の姿はない。
「おい、神谷と赤司はどこに行ったのだよ!?」
慌てて他の部員に声を掛けるが
皆首を傾げるばかり。
「あ、さっき二人して出て行きましたよ?」
桃井がニコニコとしながら答える。
どうしようもない不安と焦りが襲ってくる。
何かあったら俺は神谷を守れるのだろうか?
そんな事を考えている場合ではなかった。
俺は急いで体育館の出口の方へ足を向けた。
「あー!ミドリン!どこ行くの!?」
「ん~?何スか!?」
「あ!ちょ!さつき!待てよ!」
「え~?みんなしてどこ行くの?仲間はずしとかやめてよー。」
後ろにはキセキの世代と桃井が付いてきていた。
暫く走っていると、
赤司の姿を見つけた。
手にはハサミが握られていた。