第1章 緑色のキセキ。
「赤司、それぐらいにしておけ。」
俺はそういうと、赤司の肩に手を掛けた。
赤司はゆっくりとこちらを振り返ると、
不機嫌そうな表情をしていた。
「真太郎。2軍の奴らに聞いておけ。どこのどいつに負けたのか。このままでは腹の虫が治まらない。」
「わかった。」
俺は言われるままに体育館を飛び出した。
体育館を出た瞬間、
後悔と情けなさから思わずうなだれた。
自分の事ばかりを考えて、
神谷を守ることが出来なかった。
もし、あの時黄瀬が動かなければ、
俺はただただ責められ続ける彼女を見ていただけだったのだろうか?
俺はいつだって神谷を救ってやる事が出来なかった。
それから2軍の奴に詳しい経緯を聞き、
その事を赤司に告げた。
今回の件に関わった2軍の部員たちは
全員退部することになった。
「例の不良たちは○○公園に居るそうなのだよ。どうする?」
「僕一人で充分だ。」
「…そうか。」
赤司はそう言って一人で
不良たちのいる公園へと行った。
少し心配ではあったが、
次の日は何事もなかったようにケロっとしていた。