第1章 緑色のキセキ。
みるみる神谷の顔が青くなる。
今まで見たことの無いような
絶望の表情になっていた。
助けなければ…。
そう思うのに足が動かなかった。
赤司のあの言葉が頭にこだまし、
足が凍ったように動かなくなる。
「るりに手を出しちゃいけないよ?これは警告だ。真太郎。」
そうだ。
きっとここで助けに向かったら…。
冷や汗がどっと流れる。
"キュッ"
その時、黄瀬が動いた。
その表情は怒っているように見受けられた。
恐らく赤司を止めに行こうとしたのだろう。
俺は黄瀬を止めた。
黄瀬が行けば物事が大きくなりすぎる。
きっと神谷を守る発言をし赤司を更に怒らせかねない。
俺は黄瀬にアイコンタクトを送ると、
すぐに神谷達の方へと駆け寄った。