第1章 緑色のキセキ。
「うわぁ!?」
俺は思わず叫び声を上げる。
「あ、す、すいません。なかなか出てこられないので戻す場所がわからないのかなぁって。」
先ほどの女が俺の後ろで
ワタワタと心配そうな顔で俺を見つめていた。
再び胸がドキドキと高鳴り、
顔に熱がこもる。
「だ、大丈夫なのだよ。」
俺は顔を隠すようにうつむくと
足早に彼女の横を通り抜ける。
「あ、あの。」
彼女に呼び止められて止まる。
「な、なんなのだよ?」
「えっと…倉庫の中は埃がまっているので深呼吸はやめた方がいいと思います…。」
「う、うるさいのだよっ!!!!」
俺はそう叫ぶと走ってその場を後にした。