第1章 緑色のキセキ。
「気に入ってるも何も、るりは僕のものだからね。」
その表情と発言に
思わず背筋がゾクっとした。
「…その…神谷と付き合っているのか?」
「付き合ってはいない。でも必ず僕のものになる。だから…」
赤司はそういうと
真っ直ぐに俺を見た。
「るりに手を出しちゃいけないよ?これは警告だ。真太郎。」
「…あぁ。」
変な汗が一気に噴出し、
喉がからからに渇いた。
その時の赤司の表情は恐ろしくて
いつもの温厚な赤司では決してなかった。
全てが無理だと悟った。
俺は赤司には勝てない。
きっと俺がこの思いを彼女に伝える事は
出来ない。
俺は諦めたくて
神谷と極力関わらないようになった。