第1章 緑色のキセキ。
朝になり、学校へ行くと、
神谷は相変わらず一人で勉強をしていた。
荷物を置くと、
気合を入れて歩き出す。
大丈夫だ。
今日のおは朝占いは1位だった。
ラッキーアイテムのケロちゃんスタンプも持った。
人事は尽くしている。
勉強をしている神谷の前に立つと、
少しだけ深呼吸をし、彼女の名前を呼んだ。
「…神谷」
「わぁ!?み、緑間くん…。」
神谷は一瞬驚いたような顔をしたが
すぐにニコっと笑った。
俺は神谷の前の席に腰掛けると、
ノートを彼女に差し出した。
「…これ、やるのだよ。」
彼女はノートを受け取ると
不思議そうな顔をしていた。
「あ、あの…これは…?」
彼女はノートをぱらぱらとめくった。
驚いたような顔をした。
本当に表情のコロコロと変わる奴だ。