第1章 緑色のキセキ。
「ふぅ…。」
ノートをまとめる作業は案外夜遅くまでかかり、
既に日付は変わっていた。
ふと、今日のおは朝のラッキーアイテムはなんだったかと考える。
そうだ、今日はケロちゃんスタンプだった。
俺は帰りにコンビニで購入したケロちゃんのスタンプを
手に取ると、ノートに端っこに一つだけ押してみた。
几帳面にまとめられた
堅苦しいノートが一気に柔らかいものになった気がした。
明日は神谷に思い切ってこのノートを渡してみよう。
少しだけ気合を入れると、
ベットに入った。
思い出してみれば、
まともに神谷と会話した事があっただろうか?
マネージャーとしての立ち回りなどを
少しだけアドバイスした事がある程度な気がした。
今日だって彼女の目の前で『好きじゃない!』と
声を荒げてしまった。
きっと彼女は驚いたに違いない。
好きか嫌いかで言えば
嫌われているかもしれない。
めずらしくマイナス思考な自分に思わず笑いが出た。
物事はプラスからよりマイナスからの方が
プラスに転じやすい。
そう信じて今日は頑張る事にした。