第1章 緑色のキセキ。
「彼女も今日からマネージャーをすることになった。さつき、彼女にいろいろ教えてやれ。以上だ。練習に戻れ。」
赤司はそういうと、ニヤリと笑った。
神谷は困ったような顔のまま頭をペコリと下げた。
まだしばらく時間がかかりそうだと言っていたのに、
赤司はどうやって顧問たちを納得させたのだろうか?
彼女がマネージャーになる事に
異論を唱える奴は一人しかいなかった。
どうやら黄瀬は彼女が1軍のマネージャーになることが
気に食わないらしく、
やけに彼女に食って掛かっていた。
俺が黄瀬の方へ向かおうとするのを
赤司が止めた。
「黄瀬もバカじゃない。いずれわかるだろう。放っておけ。」
「あぁ。…顧問から許可、おりたんだな。」
俺がそういうと、
赤司は静かに笑った。
「いや、許可がおりなかったから無理矢理つれてきた。」
「・・・え!?」
「大丈夫だ。なんとかするさ。許可がおりるまで待っていたら彼女が危ないだろ?ほら、練習に戻れ。」
赤司はそういうと
俺にボールを投げて渡した。
やっぱり赤司には
敵わないと思った。