第1章 緑色のキセキ。
それから神谷るりは相変わらず教室では
バスケ部の女子たちにいいように使われているようだった。
でも、彼女は気付いていないのか
ニコニコとしている様子だった。
部活後の掃除も相変わらず一人でしているようで、
それから数日間ずっと俺たちは掃除を手伝いに行った。
少しずつだけど、
神谷るりと仲良くなり、
話せるようになってきた。
教室でも、挨拶をするようになった。
だが、女子バスケ部の連中は俺と挨拶をする
神谷が気に食わないようで、
次第に彼女に嫌がらせのような事をするようになった。
「赤司、彼女の件はまだかかりそうか?」
俺は将棋の対局をしながら赤司に尋ねる。
「あぁ、なかなか女子バスケの顧問から許可がおりない。どうやら部長か何かが反対しているようだ。」
赤司は小さく溜息をついた。
「教室で神谷は女子バスケ部の連中に嫌がらせを受けはじめたのだよ。」
「あぁ、どうやら部活中もひどい扱いを受けているようだ。早くどうにかしなければ…。」
赤司も頭を抱えているようだった。
その日の対局も、また俺の負けに終わった。
教室に戻ると、
女子バスケ部の連中が神谷の椅子に
画鋲を貼り付けていた。