第1章 緑色のキセキ。
「んと、ミドリンはおしるこでいい?」
桃井が俺に尋ねる。
「あぁ。」
桃井は全員の飲み物を確認すると財布を持ち、
体育館から出て行こうとドアの前に立った。
それと同時に体育館のドアが開いた。
「うわぁ!?びっくりしたぁ。」
桃井は目をまん丸とさせたまま、
ドアを開けた主を見ていた。
そこには赤司が立っていた。
「おい、全員集合しろ。」
その赤司の号令により、
全員が赤司のもとへと集まった。
「何スか?何スか?」
黄瀬はなんだかワクワクしているようだった。
「全員荷物を持って、ついて来い。」
赤司に言われるまま、
その場にいた全員が荷物を持ち、
赤司の後ろを歩きはじめた。
「ねぇー、赤ちーん、お菓子食べていい?」
「勝手にしろ。」
「わーい。」
紫原はもぐもぐとチョコレートを頬張りはじめた。
この重要な時期に赤司は一体何を考えているんだ。
そんな事を考えながら歩いていると
女子バスケ部の体育館へと到着した。