第1章 緑色のキセキ。
「そもそも…なんでそんな事を聞くのだよ。」
俺は黄瀬の方を向き直り、
おしるこを口へと運んだ。
「んー。あいつが俺の教育係ってのも気に入らないし、なんであんな奴が1軍なのかって思ったからっス。皆にも認められてるみたいだし…」
黄瀬は不満気な表情だった。
"皆に認められている。"
それが気に食わないのだろうか?
「…お前にもじきにわかるのだよ。あいつのすごさが。」
俺はそういうとその場を後にした。
「はぁ!?ちょ!なんスか!?それ!?ちょっと!?緑間くん!?」
後ろでは黄瀬がギャーギャーと騒いでいたが無視をした。
黒子のすごさを口頭で説明しろと言われても
それは難しい。
存在の薄さを利用してパスの中継役になる。
口で言ってしまえば単純で
すごさを感じられない。
あれは実際に一緒にプレーしてみないとわからない。
黒子テツヤはすごい。
最初は認めたくはなかったが、
それが真実だ。