第1章 緑色のキセキ。
学校へ到着し、
いつものように朝練を終えて教室へ向かう。
何事もなく朝のHRが始まり、
担任の教師がどしどしと教室へ入ってきた。
号令が終わると、
教師はニコニコと笑って廊下の方へ手招きをした。
転校生でも来るのだろうか。
少しだけ教室内がざわざわと騒がしくなった。
じっとドアの方を見つめる。
そこに現れたのは
神谷るりだった。
胸がドキドキと高鳴り、
思わずニヤリと笑ってしまった。
彼女は少し恥ずかしそうに教室内へ入ってくると、
頭をペコっと下げた。
「しばらく入院していて学校をお休みしていましたが、今日からまた通えるようになりました。神谷るりです。よろしくお願いします。」
彼女は少しはにかみながらそう言った。
ぽつりぽつりと拍手が起こり、
彼女は少し恥ずかしそうに顔をうつむけていた。