第1章 緑色のキセキ。
外に出ると、すぐに水道場へ向かい顔を何度も洗った。
心がかなり動揺していた。
神谷が事故に巻き込まれて入院…?
不安で不安でたまらなかった。
顔を拭くと、
大きく溜息をつく。
いつの間にか
いつだって彼女の事を考えていた。
この感情がなんなのか
俺はずっとわからずに居た。
でも、うっすらと気付き始めていた。
俺は多分、
神谷るりの事が好きなのだ。
大きく深呼吸をし、
心を落ち着かせると体育館に戻り練習を再開させた。
余計な事を考えないように
いつも以上に集中した。
そんな毎日が続き、
いつしか彼女がいないことが普通になりはじめていた。