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Other Side COLORS☆黒子のバスケ

第1章 緑色のキセキ。


それからも彼女は熱心に練習しているようで
女子バスケ部の体育館には夜遅くまで明かりが灯っていた。

俺は相変わらず彼女に声を掛けれず、
でも、見つけると胸が高鳴る日々を過ごしていた。

あの日以来赤司は彼女の話はしなかった。
心のどこかで安堵していた。

その理由はよくわからない。


それから時はどんどん流れる。

季節は冬になり、
あっという間に年を越した。

女子バスケの体育館の明かりは部活終了と共に
すぐに消える日々が続いていた。

それと同時に彼女も見かけなくなった。

彼女のクラスへ行っても、
図書室に行っても、
女子バスケ部の体育館へ行っても

彼女を見つけることは出来なかった。

「…。」

転校でもしてしまったのだろうか?
もしくは病気か何かか?


もう彼女に会えないのだろうか…?


心が不安でかき乱されるようで
落ち着かなかった。

練習中もそのことが頭に引っかかり、
得意のシュートをはずしてしまう。

「…っち。」

自分自身に苛立ちを覚える。

「…どうした?調子が悪いか?」
赤司が俺の肩に触れる。

「なんでもないのだよ!!!」
苛立ちから声を荒げる。

が、すぐにはっと我に返る。
赤司が眉間にシワを寄せて不満そうに俺を睨んでいた。

「すまない。…外の空気を吸ってくるのだよ。」

俺はそういうと、出口の方へと向かう。

「神谷るり。」

赤司のその言葉に俺は足を止める。

「事故に巻き込まれて入院したそうだ。中学選抜の話はなくなったらしい。」

「…そうか。」

俺はそう返事をすると足早にその場を後にした。







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