第3章 黄色のキセキ。
その時、偶然廊下を歩くるりちゃんの姿を見つけた。
「あ!るりちゃん!」
慌てて名前を呼ぶと、すぐに廊下を飛び出した。
るりちゃんは驚いたような顔をしていた。
「黄瀬くん。どうしたんですか?」
「あの、るりちゃん、俺、モデルやってるんスよ!」
「…うん、知ってるよ。有名だし…。」
るりちゃんはそういうと静かに笑った。
「…あ、そ、そうっスか。」
るりちゃんと話すと胸がドキドキした。
「えーっと、なんかないんスか?サイン頂戴ーとか、そういうの…。なんでもお願い聞くっスよ!」
慌てて俺がそう言うと、
るりちゃんはハっとしたような顔をした。
「あ、あの、一つだけ…お願いがあります。」
お!来た!
やっぱり普通の女の子と同じなんじゃないっスか!
「黄瀬くん、この間イベントでバ○オハザードの新作を先行プレイしてましたよね?あれって…その…試作とかって貰えたりしないんですか…?」
「・・・へ?」
「あ、ご、ごめんなさい!ず、ずうずうしすぎますよね…えっと…はい。」
るりちゃんは顔を真っ赤にしていた。
にしても、まさかのゲームの話題だなんて…。
モデルの黄瀬涼太にもっと興味はないんスか!?
ちょっと寂しいんスけど!?
「ゲームの試作、もらったっスよ。ほしいならあげるっスけど…」
俺がそういうと、
彼女は目が一気に輝いた。