第3章 黄色のキセキ。
教室で周りを見回してみる。
もちろんるりちゃんより可愛い子は沢山居る。
「ねぇー!黄瀬くん!聞いてぇー!」
「ん~?何スか~?」
みんな彼女よりも俺に話しかけてくれるし、
明らかに好意的に声をかけてくる。
別にるりちゃんが好意的に声をかけて来ないわけではないけど、彼女達とは少しちがう。
彼女達はモデルの黄瀬涼太と仲良くしたいから…。
・・・あ。
そっか。
るりちゃんは俺のことを
モデルって知らないのかもしれない。
だから、俺は彼女が特別な気がしてならないのかもしれない。
今度言ってみて反応見てみるべきっスね。
これで万事解決っス。
正直焦っている自分が情けなかった。
今までまともに恋とか
そういうのしたことなかったからなぁ…。
そもそも、恋する暇もなく、
女の子達が寄って来るからなぁ…。