第3章 黄色のキセキ。
るりちゃんは案外ケロっとしていた。
「…うん。でも、なんでわかったの?」
「二軍の奴が見てたんス。るりちゃんが灰崎に連れて行かれる所。だから、みんなで手分けして探してたんス。」
「そっか…ありがとう。」
心配させないようにいつものように強がってるのかな?
そういえば、そういう子だったな。
そう思うと胸がぎゅっと締め付けられるようで
思わずぎゅっと彼女を抱きしめた。
「え!?き、黄瀬くん!?」
るりちゃんはかなり動揺している様子だった。
「守れなくて…ごめんっス。」
「…あ。あのね、黄瀬くん、わ、私…」
やっぱり心配させないようにしてる。
守れなくてごめん。
辛い思いさせてごめん…。
「無理しなくていいっス!」
俺がそういうと、
彼女は必死で顔をあげて訴えかけた。
「あのね、何もされてないの!」
ほら!やっぱり何もされてないんじゃないんスか!
…へ?
何もされてない!?
「…へ?」
思わずマヌケな声が出た。
「その、お腹は殴られたけど…それ以外は何も…」
るりちゃんは少し顔を赤らめながらそう言った。
何もされてない!?
じゃぁ…
「え?じゃぁ、何で胸元そんなはだけてるんスか?」
「…?」
俺がそういうと、
彼女は自分の胸元を確認し真っ赤になった。