第3章 黄色のキセキ。
思いっきりドアに体当たりをしてみる。
古い体育館倉庫だからか、
体当たりをしていれば鍵の部分が壊れて開きそうだ。
何度も何度も体当たりを続けた。
4~5回目で
ドアは開いた。
そこには灰崎と胸元が大きくはだけたるりちゃんが居た。
「あー…やっと見つけた…。」
「よぉ、リョウタ。」
灰崎はニヤニヤとしながら俺の方へ歩いてきた。
殴り飛ばしてやりたかった。
「うちのマネージャーに何してくれてるんスか。」
その俺の問いかけに灰崎はまたニヤっと笑った。
「別に…?まぁ、もうスッキリしたし、俺は行くよ。じゃぁーな。リョウタ。」
灰崎はそういうと、
足早にその場を後にしようとした。
「はぁ!?ちょ、待て…」
追いかけようとしたが、はっとるりちゃんの存在を思い出した。
もしかして…守れなかった?
もう遅かった…?
胸元がはだけたままで呆然としている
るりちゃんにブレザーの上着をかけると、
手にまかれたガムテープを丁寧に剥がした。
「るりちゃん、大丈夫っスか?」
大丈夫なはずない。
はずないのに、こんな言葉しか浮かばなかった。