第3章 黄色のキセキ。
いつも以上に取り乱している気がした。
なんでだろう?
今まで何度も灰崎に彼女を取られてきた。
でも、こんなに胸がざわつく事はなかった。
"どうでもいい"って気持ちがあったからかもしれない。
じゃぁ、俺は
るりちゃんのことを"どうでもいい"と思っていない?
特別な目で見てるって事…?
あれ?
もしかして俺…
るりちゃんの事好きになってる?
体育館の倉庫の方から微かに物音がした。
「…!!!!」
あそこかもしれない。
助けないと。
早く。
体育館倉庫のドアに手を掛けた。
鍵がかかっているのかあかない。
中には確かに人の気配がする。
微かにだけど声がする。
鍵を取りに行ってる暇はない。