第4章 私と彼
それからの私は、あんなに辛かった仕事が少し楽しくなっていた。
そして、少しづつだけど他の仕事も任されるようになって来たので、やりがいも感じ始めていました。
その日、店が終わり私は外に出ると、一人の男の人が立っていた。
あれ、あの人は.....
「あのぉ、お客様?」
私は声をかけると、その人は私に気が付いたのか振り向いた。
錦戸「あっ、やる気のない店員さんやん」
そう笑いながら言った。
私への呼び名に驚いたが、私は顔色を変えるのを抑えて話した。
「....あっ、あのぉ、今日はこちらの都合なんですが、閉店が早かったんです」
錦戸「あっ、そうなんや」
「申し訳ありません...」
その私の言葉に、彼はニッコリと笑って言った。
錦戸「だいぶん、変わったやん」
「えっ?」
錦戸「前から、ずっと思ってたんや、やる気ないなぁって、帰るお客に何も言わんし、探してる人がおっても気が付かんし....」
彼の言葉を私は黙って聞いていた。
錦戸「....まぁ、別にええんやけどさぁ、客からみたら最悪な店員やったから、ちょっと意地悪したろじゃないけど、試してみたら、えらい変わったなぁって」
私は、動揺した。
彼は、私にわざとしてた事に....
「えっ、あのぉ、でも....」
錦戸「おん? どなんしたん、」
焦っている私に彼は、優しく話し掛けてくる
「....お客様は、関ジャニ∞の錦戸亮さんですよね?」
私の問いに、長い沈黙が流れた
私は不味い事を聞いたのだと、俯いてしまった。
錦戸「なぁ~んや、知ってたんや」
そう言うと笑った。
「えっ?」
錦戸「やって、他のヤツは離れてても見える所で、コソコソしてたし、でもあんただけは、俺にも普通やったから知らんのかと思ってたんや」
「あっ、初めは知りませんでした....私、テレビとか見ないからアイドルに疎くて...」
私は恥ずかしそうに言うと
錦戸「あんたのせいで、俺もまだまだやと思ったわ」
「えっ、あっ、すいません」
私は焦って謝ると彼は、照れながら言った。
錦戸「でも、マジで盆栽まで知ってて驚いてもうた、俺の負けやった」
その言葉に二人で笑い合った。