第13章 謹慎
次の週に店に行くと、雰囲気に驚いた。
すると、後輩の彼が近づいて来て言った。
「先輩、ヤバイすっよ!錦戸亮とスキャンダルされてますよぉ!」
「えっ?」
私は焦った、まさか、いつ?
そこに店長が雑誌を持って来て、私に見せた。
この前の夜に話してる所を撮られてたようだ。
店の前なので、知ってる人が見たら分かってしまう。
「....誰と付き合おうがいいんだが、店に問い合わせとか来ると思うので、しばらくは謹慎しててくれないか?申し訳ないが、君がいたらトラブルになるかも知れないから....」
店長の言うのはもっともなので、私は素直に謹慎を受ける事にした。
帰り道に、彼に告白した公園に来た。
私は、ゆっくりとベンチに腰を下ろした。
私は、自分の処分より錦戸さんが心配だった。
彼の仕事に影響しないかと....
「.....やっぱり迷惑かけちゃったなぁ」
そう呟いた私のスマホに着信がきた。
見ると、彼だった。
「.....もしもし」
錦戸「...俺、なぁ大丈夫か?」
「....大丈夫ですよ、錦戸さんは?」
私は嘘を言った。
本当は辛くて悔しかったのだが
錦戸「俺、しばらく自粛しろやて...」
元気のない声だった。
「...そうですか、やはり御迷惑を掛けちゃいましたね」
私が、辛そうに言うと
錦戸「何が迷惑やねん?俺、別に反省してないし」
「えっ、何を言ってるんですか?」
錦戸「自分の彼女を撮られたんやから、ええし」
「そ、そんな問題じゃないですよ」
錦戸「それは分かってる...」
錦戸さんの、こんな部分が本当に好きだった。
ちゃんと自分を持っててぶれない所が
錦戸「まぁ、何かあったら電話してや絶対にな」
「...うん、ありがとう」
錦戸「近いうちに会いに行くから」
そう言うと彼は電話を切った。
私はしばらく、公園で過ごしてた。
ずっと彼を思ってた。
好きだけでは、どうにもならない現実に打ちのめされていた。
恋は甘くて幸せなはずなのに....
なぜ運命はこう意地悪な方に進のかと、私は考えていたのです。