第12章 距離
私は、内容は読む気にもなれなくて、写真だけを見て本を閉じた。
そして大きなため息をつき空を見た。
彼は、私を愛してくれてるのだろか?
私は騙されてたのか?
不安でおかしくなる。
でも、錦戸さんに限ってって思う自分もいた。
正解が見えない私のスマホに通知の音が聞こえた。
見ると、彼とのLINEで
<<今日、会いたい>>それだけだった。
一瞬考えたが、私は震える指で
<<待ってます>>と返信しました。
そして、ため息と一緒に、スマホをポケットに入れ気持ちを落ち着け店に戻った。
するとバイトの男の子がお客様に怒られていた。
私は慌てて掛け寄ると...
「お客様、失礼しますがどうされました?」
するとお客は、彼に質問したら、失礼な返事をしたと怒っていった。
私は頭を下げ、教育し直すと約束すると、お客様は納得して帰って行ってくれた。
帰るお客様を頭を下げながら見送ってから、彼を見るとふて腐れた顔をしていた。
「そんな顔をしてたらダメじゃない?」
「でも、ムカツク聞き方されたんですよ!」
「それでも、ちゃんと対応しないとダメじゃない?」
彼は無言で私を見た。
「....どうしたの?」
私は、不思議に思い聞いてみた。
「....いえ、」
彼は俯いた。
不思議に思ったが、私は自分の感情も辛い部分があったので、深くは聞かなかった。
「...よし、仕事に戻って頑張ろうか!」
私は、彼の背中を叩き気合いを入れて仕事を始めた。
私は辛かった..,
辛かったから必死だった。
錦戸さんの記事を思い出さないように...
私は必死で働いた。
考えるのは会ってからにしようと思ったから