第11章 友達卒業
仕事が終わり、私はドキドキしながら彼の元に走って行った。
彼は、空を見ながら何を考えてるのか私を待っていてくれた。
「....錦戸さん」
彼は私の顔を見ると、少しだけ笑った。
錦戸「いつも突然で、ごめんな」
私は驚いた。
元気のない彼の顔に
「えっ、それは仕方ないですし、私なら、いつも暇なんで大丈夫ですよ」
私は、いつもの彼じゃないのに不安になっていた。
だから、余計に明るく振る舞った。
錦戸「おん、ありがとうなぁ」
そんな私を見て、優しく微笑んだが、やっぱり彼じゃないと思った。
私の中で不安が生まれてくる。
「....錦戸さん、どうしたんですか?」
彼は何も言わずに、私を見つめていた。
重い沈黙だった。
「....何かあったんですか?」
私の問に彼は俯いた。
私には余計に不安が大きくなっていく。
今日、彼が来たのはもしかして....
この前の告白の答えなのかも知れない...
私が、余計な事を言ったから
彼は辛い事を私に告げなきゃならないのかも
「....さよならですか?」
私は勇気を出した。
本当は泣きたかった、でも必死で堪えた。
でも、声は震えていた。