第2章 彼はアイドル
次の日の、もうすぐ帰ろうとした時だった
また作業中の私に声がかかった。
錦戸「なぁ、バイクの雑誌はどこなん?」
えっと思って振り向くと、昨日の人だった。
今日はサングラスを外してた。
あれ、この人はどっかで...?
考えてると、また言われた。
錦戸「バイクの雑誌は?」
私は、ハッとした。
「....お客様、こちらです」
実は、やっぱり悔しくて朝に来て場所を確認してたのです。
「この辺りが、バイク関連になります」
私は、案内して彼に告げた。
錦戸「ふ~ん、ちゃんと出来るやん」
そう言って、ニッコリ笑ってくれたのでした。
その瞬間に私の胸に何かが動いた。
彼は、それ以上は何も言わずに
雑誌を手に取り読み始めたので、
私は自分の仕事に戻った。
しばらくすると、また声をかけられた
錦戸「なぁ、サーフィン関係の雑誌は?」
「えっ?」
彼は、真剣に私を見つめてた。
「えっと、あの...?」
私はどきまぎしながら、場所を頭で探してた。
すると、彼は、
錦戸「.....まだまだやな、」
そう私に告げると、さっきのバイクの雑誌を手に
レジに歩いて行った。
えっ、何がまだまだなの?
どういう事?
次はサーフィンって....
私は、イライラと彼のこの行動に訳がわからず
パニックになっていた。
その時だった、私が手にしていた雑誌の表紙を
あのお客様が飾っていた。
「!!!!!」
彼は、関ジャニ∞のメンバーの一人
錦戸亮だった。
あのドラマや映画にも主演をつとめてる。
私は、何故かため息しかでなかった。
この何の悪戯か、アイドルと出会ってよろこぶべき
事態なのだが、彼の<<まだまだやな>>が
心に重く私に引っ掛かっていた。