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ブリュレ

第8章 勇気



錦戸さんは、嬉しそうに歩いていた。

その姿を見ると、私も嬉しかった。


錦戸「なぁ、この前の店でええ?」


「はい、もちろんです」


私の返事に、嬉しそうに笑ってくれた。


錦戸「他にも、めっちゃ美味しい店あるから今度、連れてったるわな」


その言葉が嬉しかった。

また、彼に会える切符を手にしたのだから


「はい、楽しみにしてます」


私は、幸せ過ぎる気持ちで有頂天だった。

そこに、突然....


「....あのぉ、錦戸亮さんですよねぇ?」

女の子に声をかけられた。


私は、一瞬で夢から覚めてく感じがした。


錦戸「おん、そやけど」


彼は答えた。


「私、ファンなんです。良かったら握手してもらえませんか?」


女の子は、そっと彼の前に手を出した。


錦戸「悪いけど、今はプライベートやから...」


そう告げたのです。


すると女の子は、私をちらっと見たのです。


「...そうですか?」


彼女は、頭から足先まで私を見渡していた。

彼の近くにいる私を不思議に思ったのだろ


私は、不味いと思った。

彼の印象が悪くなると、私が一緒にいたから...


錦戸「なん?」


少し怖い口調になってる気がした。


「....いえ、なんでもないです」


そう言うと、頭を下げで走って行ってしまった。



黙って歩き出した彼に、私は勇気を出した。


「.....錦戸さん、今のはダメですよ」


私の言葉に、彼の足が止まった。


錦戸「俺にプライベートがあったらアカンのか?」


「いえ、違います...」


彼は立ち止まったまま無言で、私の顔を見つめた。


「...私も、錦戸さんのファンになったから、今の彼女の気持ちが分かるんです.....、好きな人にあんな風に言われたら悲しくなっちゃいますよ」

私は必死で伝えた。


錦戸「えっ、どういう事なん?」


「彼女にしたら、夢の時間なんです...握手できなくても、そのぉ、いつもの優しい錦戸さんで...」

私は、自分が彼に会うと幸せだから、彼女の気持ちが分かる、それを伝えたかったのだが...

彼の顔つきがドンドン変わってきていて、私は焦っていた。









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