第7章 思い
その日から彼は来なかった...
お客に場所を聞かれても、彼でなかった。
帰りの店の前にも立ってる人もいなくなった。
私は、日が立つにつれて、彼に嫌われたんだと思った。
彼のドラマが始まった。
テレビの彼は、私と会った時と同じ笑顔で笑ってるけど.....
私は涙がにじんで見る事が出来なかった。
私は、気が付いていた。
彼に恋をしてた事を....
でも、認めたくなかった。
アイドルに恋するのは無謀だと知ってるし、
まして嫌われてしまったのだから....
あんな、意地悪な人で、ハッキリ思った事を言う人、でも、間違ってなくて....
私を、こんな私ですら、本屋の店員としてじゃなくて友達として見てくれてた人.....
私は、部屋のテレビの前で泣き続けた。
テレビの彼に会いたくって....
もう一度、会える奇跡があるのなら、
絶対に素直になりたいと思った....
そんな事があるわけはないが、強く願っていた。
素直になって、彼と会いたいと....
そしたら、また褒めてくれるかなぁと....
淡い思いを胸にしまいこんだのです。