第6章 ブスな私
やっと仕事が終わり、閉まってる店の前で待ってる彼の元に向かう私の足が止まってしまった。
彼が可愛い女の子たちに囲まれてたから
彼は少し笑いながら相手をしてましたが、遠くから見てても少し迷惑がってるのは分かりました。
私は、側に行くのに躊躇した、行けば迷惑になるから、でも約束して待っててくれてるし....
どうしていいか分かんなくなった時に、彼の方が気が付いてくれたのです。
錦戸「悪い連れが来たみたいやから....」
そう言うと、彼女たちから離れて歩いて来ました。
そして、私とすれ違いざまに
錦戸「このまま黙って後ろを歩いて来て...」
そう言い、スタスタと歩いて行きました。
私は慌てて彼の後を追いました。
錦戸「ドラマとか始まると、こうやから少し辛いわ」
そう言って苦笑いしました。
「....友達としてでも、私といるの不味くありません?」
錦戸「それって、どういう意味なん?」
私の言葉に不思議そうに彼は聞いてきました。
「...いえ別に...」
私は口ごもってしまいました。
彼みたいなアイドルが友達としても不細工な女と一緒だったなんて、知られたらダメだと思ったから
でも、彼の一言が本当に怖かったから言えなくなったんです。
錦戸「なぁ、ちゃんと言ってや、分からんやん!」
彼は足を止め聞いてきた。
私は何て言って言いか分からず、俯いた。
錦戸「言ってや!」
「....錦戸さんみたいなアイドルが、こんな私みたいな女を連れて歩くなんて....」
彼の言葉に押されて、本音を言ってしまった。
言った後に後悔した。
だって、彼の顔つきが変わってきたから
錦戸「.....ちょ、なんそれ、」
何も言えず俯く私
錦戸「なぁ、アイドルってさぁ、美人じゃなきゃ連れて歩いたらアカン? なんなんさ、それ?」
怖くて顔が上げれなかった....
錦戸「俺は自分が歩きたい人と歩く、それを誰にも文句言わせへんわ!」
「....でも、錦戸さんは芸能人ですよ!週刊紙とか色々あるじゃないですか?」
私も負けてられなくなって言ってしまった。
錦戸「週刊紙が怖いんやったら、俺とおらんかったらええし」
錦戸「今日は、悪いけどここで別れよう」
それだけ言うと、彼は一人で歩いて行ってしまいました。