第1章 サプライズデート
そう、私は嬉しかった。テツヤ君の言葉が、気持ちがすごく嬉しかった。それは私も望んでいたことだったから。
穂波「私も同じ気持ちだったから、すごく嬉しかった。テツヤ君の彼女で良かったって、あの時本当にそう思ったもん。だから私からお礼を言うのは当たり前だけど、テツヤ君がお礼を言うことはないんだよ?」
黒子「いえ、やっぱりお礼を言わせてください。僕と同じ気持ちでいてくれてありがとうございます」
テツヤ君はそう言って優しく笑う。なんて優しい人なんだろう、この人は。こんな優しい人に愛されて、私はなんて幸せなんだろう。幸せ過ぎて涙が出そうだ。
黒子「…泣かないでください。僕と同じ気持ちなら、僕の為に笑ってください」
私の頭をそっと撫でながらテツヤ君が立ち上がる。
黒子「さあ、行きましょうか。そろそろ出来上がっている頃ですから」
残りのミルクティーを慌てて飲み干して立ち上がる。何がどうしてそうなるのかわからないでいる私に、テツヤ君はいたずらっ子のように笑って言った。
黒子「今日最後のサプライズですよ。お楽しみに」
穂波「テツヤ君それ言っちゃったらサプライズにならないんじゃ…」
黒子「取っておきのサプライズですから大丈夫です」
真面目な顔で言うから笑ってしまった。テツヤ君も笑う。二人で笑いながら手をつないで、薄っすらと雪化粧をしたパークを歩いていった。