第1章 サプライズデート
お兄さんがメッセージを読み上げる。
『穂波さんへ
沢山の人の中から僕を見つけてくれてありがとう
沢山の人の中から僕を選んでくれてありがとう
こうして君と一緒にいられる幸せをありがとう
大切にします。これからもずっと一緒にいてください
テツヤ』
これ…これ、テツヤ君が私宛てにくれたメッセージだよね?慌ててテツヤ君の方を見ると、照れたように、でも優しく微笑んでいた。
「穂波さん、テツヤさん、どちらにいらっしゃいますか?」
お姉さんの呼びかけに、テツヤ君は私の手を取って応えるように手を上げた。
「はい、Cブロック一番後ろの通路側にいらっしゃいましたね。よろしければお立ちください」
黒子「穂波さん、立てますか?」
穂波「うん、大丈夫」
二人で手をつないだまま立ち上がった。会場中が拍手してくれる。どうしよう、すごく嬉しい。
「どうぞこれからもお二人仲良くお幸せに」
お姉さんの声に一礼して座る。手はつないだままだ。目の前が歪んで見えた。