第1章 ずっと貴方といられたら
家に戻ってるかもしれない…という希望に賭けて家に急いで戻った。
でも、さんは家にいなかった。
それから数日たってもさんは姿現さなかった。
とても大事なヒトを失ったこの喪失感は果てしなくどこまでも心の中に広がって…
猫は自分の死期が近づくと飼い主の前から姿を消すと本で読んだことがありましたが、まさか自分がその立場になるなんて思ってなかった。
そのまま心に喪失感を抱いたまま受験を迎え、春になった。
卒業式を無事に終え家に帰り部屋にたどり着いて机に荷物を下ろすと、チリンという音が部屋に響いた。