第1章 まずは疑いましょう
紫原・氷室のコンビが終わると、次は誠凛高校組だった。
ちなみに、学生達は全員ジャージを着ている。私が仕事帰りだったことを考えると、同じように部活終わりに巻き込まれたのかもしれなかった。
赤黒ツートン髪の大柄な少年が一歩出る。
「火神大我、です!よろしくお願いする、ます!」
「よろしくお願いします。…敬語じゃなくてもいいよ。苦手そうだから」
「…いいのか、ですか?」
「うん。どうせ赤司君とかタメ語だし」
「…わかった!Thank you!」
太陽のような笑顔。自然と笑みがこぼれて、あぁ、この笑顔は本物だなぁ、と思った。
和んでいると、火神君と同じくらい背の高い青年が片手を挙げる。
「俺は木吉鉄平だ。字はこの〜木なんの木…(中略)だ!よろしくな!」
「(長くて略しちゃった)うん、よろしく」
のほほんとした笑顔は癒し系。
作中の印象では、底のしれない知性派なイメージだったけど、実際はどうなんだろうか。
…そして、残るのは、私に警戒心むき出しの青峰君と、それを止める事なく見ていた彼の眼鏡先輩だった。