第35章 自然祭
日本「ぎゅ)…すみません(苦し気」
拳を握り
目を瞑りながら苦しげな表情を浮かべる日本さん…
その心中とは?
ケイト「?何が?」
それに対し、首を傾げながらも
日本さんの服装を整え続けるケイトさん。
ガシッ!
その直後
日本さんは、ケイトさんの両肩を掴み
ダンッ
壁へ押し付けました。
ケイト「ちょっ。やり辛いよ、日本;何やって…!」
ケイトさんが見上げた、その先にあったのは…
日本さんの、苦しそうにゆがんだ顔でした…
ケイト「日本…?…一体、どうしたの?;(汗」
それに、意味も解らず…眉をひそめるばかりのケイトさん…
日本「ケイトさん…私は…!
ケイトさんがさらわれた時も
ケイトさんに庇われた時も…
ずっと…護り切れていませんでした…
戦時中…アメリカさんから護ったつもりでも
私は…結局の所、ケイトさんの心までは護り切れず…
いつも!…いつも!!……ずっと…
苦しませることしか、出来ていませんでした…
あなたが死にたいと呟くまで気付けず!;(涙)
っ;
甘い考えで、私はケイトさんを日本へ連れ出し!;
ずっと、悲しく、辛い想いばかりっ;
ケイト「違う」
え?;」
ケイト「違うんだ。
日本のおかげで
私は、世界の色んなことをたくさん知れた。
日本と一緒に外へ出て
触れ合わないと解らないものが、確かにそこにはあったんだよ。
人の人柄、外との違い、文化の違い…
色々なものを知ることが出来たから
私の中での世界は広がった。
人自身を、国だと例えるような…
そういった見解に、辿り着くことが出来た。
日本なしじゃ、なしえなかったことばかりだよ(微笑)
日本だけじゃない…
日本が会わせてくれた、色んな人たち…様々な経験…
そのおかげで、私は…
傷を負うことになっても、それよりも…
大事なものを知ることが出来た。
何よりも得難い、大事なものを
身をもって、知ることが…解ることが出来た。
だから日本…
日本には
『今まで導いてくれた感謝』と
『それごと全部を愛してるって想い』しか、ないんだよ^^(涙目」
日本「っ;
私にはっ;…どれも、もったいない言葉ばかりですよ;」
つい先ほどまで
哀しみや苦しみと共に涙をこぼしていた日本さん…
ですが
今は『嬉しさ』と共に
ケイトさんと、涙を流していたのでした。