第2章 新しい景色達
江ちゃんが満足そうに微笑んでくれたところで、2人は何だかよくわからないという顔をそのままにしていた。
男子更衣室から残りの2年生組が出てくる。
「賑やかそうだね」
「2人とも遅かったねー」渚君が2人に寄って七瀬君の背中に飛びつく。あ、甘えん坊の・・・猿?(違)
「はは、ごめん」
そうして全員揃ったところで、江ちゃんが今日のメニューを話す。
即席で私のを軽めにして作ってくれたみたいだ。
っていうかよくよく考えたら私何度か水中で気を失ってたり昨日なんか海で溺れて泳げなかったりしてるのに、泳いで大丈夫なんだろうか・・・。
「大丈夫です。一応そういうことも考慮してあるので。あ、1番右のレーン使ってください。他の方には使わないよう言ってあるので1人で1レーン使い放題ですよ。」
私氏、思ったことを口に出す癖があるらしい。恥ずかしいというかこんな癖気持ち悪すぎ!!
前はこんな事なかったのに!
・・・それにしても1人で1レーンか。
「なんか迷惑かけてばかりだね」
「いいんですってば。」
***
なんとか泳げてはいる。本当に基本的な泳ぎしかしてないし、ウォーキングとかもあるけどこの程度でいいよね。
それにアドレナリン出まくりなのだろうか・・・
超楽しい!!!!!!!!!
超超超超超超超楽しい!!!!!
何これぇぇえええ!!!???前どんな想いで泳いでたんだっけ!!??
めっさ楽しい!!!!やばい!!!!
「何だかなにこれーって顔してますね。楽しいですか?」
「私そんなに分かりやすいかな・・・。」
プール内のゴミを拾ったりしている江ちゃんがニッコリと笑って話しかけてくる。
「でも江ちゃんのメニューすっごい楽しいよ!!!!!!ありがと!!!!!」
駆け寄ってグッと手を握る。実は飛びついちゃいたいくらいの喜びです。く、水着じゃなければぁぁぁあああ。
突然の事で彼女は驚いたのか頬を染めた。
「よ、喜んでもらえたようで、嬉しいです・・・」