第2章 新しい景色達
「ということでもっかい泳いでくる!!」
「ちょーーーーっと待ってください!一回休憩してください。妙美さん今ぶっ続けで泳いでますよ。スイマーズハイになってきているので、一回休憩です!」
そんなエンドルフィン出過ぎて来てるほど楽しんでるのか私!!
すごい!江ちゃんのメニュー!
そして誘導され、プールサイドに見るからに簡単に設置されているベンチに座る。
彼女も隣に座ると、持っていた網を近くに立て掛ける。
「・・・にしてもさぁ」
「はい」
私達はプールの向こう側、そこで何やら話をしている真琴君と七瀬君を見る。
「あの二人はー・・・デキてるんですかねぇ」
「・・・それは私も思ってました」そう言って江ちゃんが私と同じような目で同じ方向を向く。
しばらく2人で遠い目をしながら楽しそうに話す2人を見ていた。
「不思議なのが、あの無表情な遙先輩が楽しんでるように見えることですよね」
「うん。よもや幼馴染以上の何かを感じる」
「同性愛、ですか・・・」
「そうだね・・・」
「あ!でも、私思春期には比較的よくあることって聞いたことあります!」
それでも愛していることに変わりはないんだね・・・。
私は変わらず生暖かい視線で2人が会話をしているのを見続ける。
「もし、もし本当にそうでも、受け入れてあげよう!」
「そそうですね!大事なのはそこですよ!」
「どうする、相談されたら」
「え、えぇぇえー?」
江ちゃんは頭を抱えるようにしばらく悩むと、いい事に気が付いたのか頭を上げてハッとしながら答える。
「愛に形性別は関係ないと、いいます!」
「おぉぉおー!!」
キリッとした顔の江ちゃんに拍手を送り視線を戻すと、
「楽しそうだね。なんの話?」
無垢な笑顔でこちらを見る真琴君が立っていた。後ろには七瀬君もいる。
私達はビックリして肩をはねらせたあと、目線を合わせるとバツが悪そうにお互い視線を外す。
「秘密の花園について・・・」と私が答える。
「愛について・・・」と彼女も答える。
「??2人とも随分と難しそうな話してるんだね」
2人に土下座も辞さない心持ちになった。