第2章 新しい景色達
すると彼女は少し自慢気に答えた。
「毎晩LI○Eでやり取りしてたの!」
「えぇー!!!何それずっるぅううううい!!!」
・・・私はどうやら、彼彼女にとって突然現れたお姉さん、的な存在のようだ。お姉さんってそんな子綺麗なものというよりはどっちかっていうと新しいおもちゃのような。
そう考えるとまるで子どものように見える2人が可愛い。
でもおもちゃかぁー・・・。(複雑)
(ま、いっか)
別にどんな関係であろうと、この2人が可愛いのに変わりない・・・私こんなんだから老けてるだの大人びてるだの言われてるわけ?
「ところでコウちゃん、鍵は?」真琴君がそう聞く。彼女はジャージのポケットからそれらしきを取り出して、
「バッチリです!今開けますね」
そうして女子更衣室に入る。
ここに入るのはまだ2度目。確か七瀬君が私に強い一撃を与えたのは初めてここに来た日の帰りだった。あれからもう2週間位はたったというのに・・・。
何も変わってない。
「江ちゃん、ここ掃除してた?」
後ろから私の方に着いてきた江ちゃんに振り返る。
「勿論!妙美さんがいつでも来られるようにと思って!」
「そっか。ありがと」凛さんの言うとおり、私はここで出会った人々にすっかり甘えている。
「!い、いえ。でも何で初めて来た日からぷっつり来なくなってしまったんですか?」
「ああ、簡単に言えば七瀬君に図星突かれたんだ。本当は泳ぐのが好きじゃないだろうって。」
「だから遙先輩と上手くいかないって言ってたんですね!・・・でも、どうして今日、泳ぎに?」
「長くなるよ?」
そう言うと、彼女はううんと唸った後何か思いついたように明るい顔を見せた。
「じゃあこうしましょう!部活が一先ず終わったらどこか別の場所でゆっくり!」
「分かった」
午後に約束をつけ、私は水着に着替えて外に出た。
久々に着る水着は、少しひんやりとしている。
プールサイドまで出ると、渚君と怜君がいた。
渚君は嬉しそうに飛びついてくる。それに応対していると怜君と目があった。
「うわぁ怜君本当にいた・・・」
「どういう意味ですかそれは。・・・お久しぶりです」
彼はどこか不機嫌そうにそう言う。バイト先に皆が押しかけたあの日以来、彼はめっきり来なくなったのだ。