第2章 新しい景色達
あっれぇぇえええ江ちゃんと買い物デート(ハート)した時に買ったはずだと思ってたんだけど・・・。
珍しく走りたくなった私。この岩鳶の地理も把握してきて、朝日の白い空気が漂う港町を見回りたくなったのだ。まぁ本当の思惑は別だが。
と、張り切っていた瞬間に出鼻挫かれたこの感じ、最高にテンションだだ下がり・・・。
しかし、(無駄に)リニューアルを果たした私は折れた鼻をテープで止めるがべく別の運動着を探した。
ふと、手にしたのはいつか前に七瀬君に借りたままの、ジャージ。
・・・七瀬君、洗濯はしたんだがまた借りることにするよ・・・。
「よし!」
私はそうして準備を何とか終えて家を後にし、爽やかな朝の空気をいっぱいにすった。
30分後ほどして家へと戻った。とても気分のいいランニングだったが途中で転けるなどやはり出鼻挫かれてる感が否めなかった。(憎)それに体力は随分と減っていた。傷心的になる時間が長すぎたのかもしれない。
とにかく、これで準備完了だ。
後は・・・と、その問題に一抹の不安を感じながらまだ明るくなったばかりの自室へと戻り、着ている服達を片付け、出かける支度をした。
いざ、出陣じゃぁぁぁぁああああ!!!!
***
準備を無事終え、偶然にも七瀬君が外に出るところに遭遇した。
声をかけたがやはり、という感じで返事なし。嫌いっぷりは徹底されたもののようだ・・・。なんだかもう無理に好かれなくても良いのではとかそういう諦めが出てきている。
軒先には真琴君が制服姿で立っていた。
早速お迎えとな・・・。やっぱこの2人できてるんじゃ・・・。(真剣)
「あ、ハルおはよー。」
「ん。」
「真琴君おはよ。」
「妙美ちゃんもおはよ。朝から出かけるの?」
「プールだよ。」
「へぇーそっかプールかぁ・・・・・・・・えっ。」
「さ、早く行こうよ。」
真琴君があからさまに驚いた顔をしている。
聞かれるとは思ったが・・・。何だか気まずいような照れ臭いような気持ちで、引きつった笑みと共に言った。
「なんか、泳ぎたくなっちゃって。」
「うん、うん!学校のプールで・・・だよね?」
「・・・うん。」