第1章 穴無き穴と仲間達
岩鳶高校。正門らしきそこには、そう彫られていた。
ドンと胸を何かに押されるようだった。
(あ、新しくできた高校とかかな。)
高校を通り過ぎ、もっと先へ行く。
***
「行き止まり・・・・!」
何と無く指差す方向へ来てしまったが完全に迷った・・・!!!
彼ももう寝ているはずだ、戻っても仕方ない。じゃあどうするか。
(どうしよう・・・。)
本当、どうしよう。
空をみると、紫色になっていた。
もう朝だろうか。そういえば眠い。家に帰りたい。今日も学校があるし泳がなきゃ。
どこかの家の壁に背中を預けさせてもらう。家帰りたい。すごく帰りたい。
もう少し探して見つからず朝になったらまず彼の元に行くこととしよう。それでどうしようか考えなくっちゃ。
だったら、彼には少し気分の悪い思いをさせるが家の近くにいた方が良さそうだ。
眠い目を擦りながら、背を向けた道を再び歩いた。
星と紫が混じって、ここがまるで現実じゃないようだった。