第1章 穴無き穴と仲間達
挙句片方の方なんか「一度嫌われたらお終い」的な事を某良妻のごとき幼馴染に言われてるってのに・・・!諦めろと!?諦めろと!!??
私の心にブラックホールが発生しようとしている所で、隣の彼を戸惑わせたことに気が付いた。
いかんいかん・・・とりあえず落ち着くんだ。
「ごめんなさい・・・・いやぁ、今貴方の先輩みたいな人とうまくやれなくて。」
「ああそういうことですか!うーん・・・難しい問題を抱えてますね。」
2人で同じ方向に歩き出す。
彼は海岸線沿いでランニングしていたみたいだ。
「お力添えできなくてすいません。」
「いえいえ!!なんていうか、突然初対面の人間の悩みなんか聞いてくれてむしろありがたいっていうかこうスッキリするというか。」
悩みは人によく言う方がいいと、昔から感覚的に思っていた。相手の重荷になるのは良くないかもしれないけど、人間は意外とちゃんと優しいのだ。
先程の堤防あたりに差し掛かる。あのカップルらしき影がいた方には、もう1人分の影しか残ってはいなかった。
「せんぱーい!」
隣の子はその影にそう叫ぶ。
・・・もしかしてさっきのカップルらしき影って、この2人だったのかも。
するとその先輩らしきは寄ってくる。私は邪魔しちゃ悪いと、その場から離れることにしようとしたが、「どうせなら、喋ってみますか?ぶっきら棒先輩と。」なんてニコッと言われてしまうもんだから思わず落ちた。心が。(←)
少しドキドキしながらその影を見ていると、思いもよらぬ展開が待っていた。
「遅かったじゃねぇか、似鳥。」
・・・・・・・・何だろうまた聞いたことある声だ、なぁ〜。(震え)
あれれ、しかも、先刻まで私が隣の彼に相談していた対象の1人じゃないかな???????????????
「あ、ああ、あ・・・。」
「?どうかしましたか?あ!先輩聞いてください!偶然この間財布を拾ってくれた方と出会っちゃったんですよ〜!」