第1章 穴無き穴と仲間達
「よし、今度見つけた時は追いかけ回してみようと思う。」
「なぜそうなる?・・・でも妙美ちゃんならきっと仲良くなれるよ。今の凛も根元はあんまり変わってないみたいだし。あ、どうせならアルバム見る?」
「ぜひ!!」
・・・正直、あの仏頂面も鮫男(勝手に命名)も小さい頃の写真メタクソ可愛い!!!!何これ天使!なぜ人間になってしまったのだ!!(は)
これがこのまま成長してたら・・・といっても仏頂面は幼き頃も仏頂面で関係修復に遠い目をしそうになった。
彼は写真たてを私に預け立ち上がり、私が下劣な顔でそのブツを見つめている間にも重圧そうなアルバムを手に戻ってきた。
「はい。」
「じゃあ早速・・・。」
その後私は皆の幼少期に癒されながら、彼は過去の思い出を親しみながら、そのアルバムを見ていた。
途中、真琴君の幼少期の真裸(後ろ向き)や松岡兄幼少期に水着を脱がされそうになって赤面している写真などが出てきて黄色い声を出した人間と顔面蒼白にした人間2人がいたりした。とりあえず真琴君可愛い。(ゲス顔)
他にも七瀬君の初恋が滝だと聞いてああそれはあんだけ嫌われるわと謎の納得をしてしまった。
そしていつしか空は星を告げ、お母様にお呼出をされ、ぐっすりだった双子ちゃんを起こして皆で下におりたのであった。
***
「そんな写真あったの?」
「あった!母さんあんなのいつ撮ったの!?」
親子の他愛ない喧嘩(?)を肴に、私はデザートに出されたフルーツをぱくついていた。時々蘭ちゃんがあーんしてくれたりして・・・至福だ・・・。
「はは、女の子にそんな写真みせるだなんてダメじゃないか真琴。」
「いや全然いいもの見せてもらいました。癒されました。」
「もう俺やだ・・・。」
フルーツを食べ終え一息つく。
時計はもう20時を回っていた。そろそろ帰った方が良さそうだ。
大勢と囲む久々の食卓に舌鼓を打てて良かった!あと真琴君幼少期を携帯でパシャれなかったのが唯一の心残り!
「あら、もう20時?」