第1章 穴無き穴と仲間達
どうやら今は私一人。彼は風呂にでも入ったのやもしれない。
まぁ致し方無いし冷めるとまずいから鯖を堪能しよう。
「いっただっきまー・・・」
パク。
「え?」
「・・・・味、雑。」
What!!!!????!!!!???
今あったこと、箸に摘まんだ鯖(すごい一部)以外を横から伸びた手が丸ごと口に頬張った。説明終了。
こんのこそ泥猫めがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!
「・・・って七瀬君服ぐらい着て!!!」
安定の水着ー・・・かと思いきや腰巻タオルと頭にタオル一枚かけてあるだけというなんつうお風呂入ってきましたスタイル。私どこに視線向けたらいいんだ!!??女子だぞ仮にも女子だぞ!!!(熱い主張)
と言いつつも思いっきり綺麗な上半身凝視したけど。どうもクソ野郎です。
・・・あれ、でもいつもより風呂の時間短い。
彼は私の言葉など何も気にかけず踵を返してとっとと私の前から姿を消したのであった。
「・・・つ、釣れた。」
なんだか急におかしくなって少し笑いがこぼれる。
ってメイン料理取られたんだった!!!!
一人寂しく仕方なしに味噌汁とご飯と酢の物だけを食べる。・・・よく考えれば関係の修復も全くはかれた気配がないし。
しかし鯖にヒントがあると睨みながら、味噌汁を啜った夕食だった。