第1章 穴無き穴と仲間達
渚君と分かれて途中の家路。
・・・・超絶仏頂面男といるわけですがなにを喋れといいましょうか!!!??
はっ、いい話題があるじゃないか!
「えっと・・・。」
言いかけると目線だけこちらに向けられる。
喋りづらい★
今頭を俊足でよぎって行くその言葉と焦り。
いやここは、彼とも、ななな仲良く、というより関係の修復を図るために!!!!!
「泳ぎ、すっごい綺麗だね七瀬君。なんか特別な練習とかしてるの?」
「してない。」
「それであんなに綺麗だなんて、天才なんだね。同んなじ自由形だっけ。タイムは?」
「タイムに興味はない。」
さっすが天才・・・言うことも違う・・・。
「水好きなんだっけ?」
頷くだけ。
「私も、水は好きー・・・。」
そう言いかけた時だった。
「違う。」
「えっ。」
「お前は、泳ぐことも水も好きじゃない。」
「そんなこと。」
「嘘着くな。」
私の中で、何かが蠢いていた。
真っ直ぐな深い青の瞳は、一切揺れることを知らない。