第1章 穴無き穴と仲間達
・・・・うん、全然大丈夫じゃ・・・・・・
なぁぁぁぁぁぁぁああああああああい!!!!!!!!!!!!!!!!
#8 彼女と小さな暴れ馬
家について早速、軒先に現れた下宿先の家主はご立腹といった顔付きをしている。
・・・で、ですよねー。だって突然見知らぬ異性をを家に上げてしばらく泊めるなんて嫌に決まっている。一体どうやってこんな状況を作り上げたんだろう。
もう泣きそうだ。不安だ、不安すぎる。
「あの・・・これからしばらく、よろしくお願いします・・・。」
「ハル、部屋って用意したの?」
「こっち。」
家に上がる。
真琴君が親切にも私が買ってきた大量の荷物を持って行ってくれ、七瀬君に誘導されながらその部屋へといった。
一階の一角、和室だ。あるのは戸襖とタンス。本来は両親の部屋とかだったんだろうか。
「布団はここ。」
戸襖を開ける。幾つかの布団が収納されている。寝室であるのは明らかみたいだ。
「あの、ご飯とかは一応下宿ってことで自費で何とかします。台所とお風呂だけお貸しいただければ、と思ってるんですけど・・・。」
よそよそしすぎるというか、ちょっと縮こまりすぎだろうか、でもそれぐらい不安であるのをお察しいただきたい。家主に嫌われてしまったら私の生活が危うい・・・。
チラと彼をみると、一回頷くだけ。そして私はよろしくお願いします、と正座で一礼する。
「妙美ちゃん、そんなにしなくても大丈夫だよ。ねぇハル。」
七瀬君はそんな一言には何も答えず踵を返してその場を後にした。
「ちょっとハルってばぁ!!・・・あっ、荷物ここ置いておくね。」
真琴君が荷物を部屋において、彼の後を追いかけて行った。
改めて部屋を見返す。
窓から見える外の景色・・・も、まぁ普通。
って、人の家の一角をお借りするのにそんな態度はダメだよね。客じゃないんだし、・・・家主批判的だし・・・。(震え)
「星がー綺麗だなぁー・・・。」
声が震えてるなんて気のせいさ・・・フッ。(泣き笑い)
そのままの顔で、星の綺麗な夜空を窓越しに見ている。
「ごめんね、ハルがあんなで。」