第1章 穴無き穴と仲間達
「私、ちょーっと買ってこなきゃいけないものを思い出したので、行ってきてもいいですか?」
「えっ。なら私もついていくよ。」
「あ、ほら。どうせしばらくこっちにいるかもしれないなら、ここすっごく使い勝手がいいですし、お店回って見てきてください!」
「なら、一緒に行った後にでもー「と、に、か、く!!!!!行ってきます。今から3時間後位にこの場所で!じゃっ!」ー・・・・。」
な、何だ今の。
風の速さっていうか、漫画でいうビューーーーンという表現のようにとっととその場を去って行く江ちゃん・・・。
ま、いいか・・・。ちょっと寂しいけどとりあえず1人で歩こう。
***
・・・む、財布が落ちている。
それを拾い上げて手で塵を払う。
うわぁ、結構品のある財布っぽい。早く相談センターに届けた方が良さそうだ。
偶然にも近くにあったお客様相談センターのような場所へいく。綺麗なお姉さんに優しく接客されながら、無事に財布を届け終えた。
今は拾い主の連絡先まで聞いてくるんだね・・・。
そしてぶらり1人ショッピングの旅を再開する。待ち合わせまであと2時間ちかくある。
足が少し疲れた私は、さっきとは別の雰囲気が高そうなカフェの中に足を運ぶのであった。うん、1人でこういうところにくることに、ちょーーーっと憧れてたりもしたので若干高揚していたのは内緒だ。知人友人とは、来にくい場所だ。
とりあえず分かったこと。
家が分からない間、どう生活していくか、についてはさほど困らなさそうだ。
・・・ただ難点と言えば、これから住む場所、であった。
江ちゃんからによると、天方先生はどうやらこの問題はあまり大幅に広めずに何とかしようとしている模様。あまりに不思議なことが起きるもんだから、広めるのは良くないと考えたみたいだ。
そりゃあ・・・私もそれはありがたいけど、だからって普通・・・
七瀬君の家に居候ってのはどうなんですか・・・。