第1章 穴無き穴と仲間達
「ん?」
ショッピングモールの手前。彼女が声をかけてきた。私はそちらに振り返り今にも崩れそうなふやけた顔面を晒すのだった。
だって、お買い物楽しいでしょ!?しかも、新しい友人との・・・!!!
「私の服・・・キツく、無いですか・・・?」
「え。」
い、いきなり、いきなり変なことをいう子だなぁ〜?返事に奇声が混じったのは、動揺なんかでは、ない、ぞ。
そりゃ、ね?下着のお尻はキツかった??それは認めるよ?でもー・・・。
「だって!!!!むな、胸元が、ダボダボ、だから・・・見えてしまう、っていうか・・・えっと、まず上買いましょう、上!!!」
え?キツいって、精神的なとかそういう意味?物理的なものじゃなくて?????????
・・・そうだなぁー少しゆるゆるかなぁー。(殺意)
えぇえぇどーせ、どーせひんぬー系女子ですよどーせ!!!!彼女が引く手をちょっとだけ強く握り返したりして、茶値な仕返しをする。
もういい、服一式揃えて着替える!!!
どこか半泣きしたかのような気分です。
***
彼女はどうやら本当にお兄さんが心配でならないらしい。
買い物を無事終えた私達は、お昼ご飯と突入して行った。まぁほぼ軽食っぽいサンドイッチとかのお店にしたけど・・・。
話の内容は、主に江ちゃんのお兄さんの話。真剣に悩む妹の兄を想う姿は涙を誘った。
「お兄ちゃん、素直じゃないから・・・って、こんなはなししても、よく考えたらつまんないですよね。ごめんなさい。」
「いえいえ。なんかもう江ちゃんに信用されたみたいで嬉しいです!」
「コウ、で・す・・・。そうですかね、そう思っていただけたなら・・・嬉しいんですけど。」
新しくお姉ちゃんができたようだと大喜びをしてくれた。出会ってまだ半日足らず。こんなに仲良くなれるなんて。
この罪作りな笑顔を誰かなんとかしてほんと!!
「やっぱり、歳上の人に話を聞いてもらうのはまた違う感じかしますね。」彼女が飲んでいるコーヒーのストローをクルリと回す。
「そうですかね。」
「・・・もー、陽野さん、敬語はよしてくださいよー。昨日の夜は標準だったじゃないですか!」
「あ、はーい・・・じゃあ江ちゃんも、下の名前で私を呼んでよ。」