第1章 穴無き穴と仲間達
ば、ばあちゃ・・・ん・・・。
あ、また水持ってる!!!やめてってば!!!!
・・・・え・・・?
な、何よ、おばあちゃん、何でそんなしおらしいの・・・?
・・・そんなこと、言わないでー・・・。
ぎゃあああああああああ!!!!!!!!!またこれかあぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!ババァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
ばあちゃんの水入りポリバケツは、私を深過ぎる海へと落として行った。
#6 彼女とポニテ美少女
「・・・。」
タイマーが騒ぎ立てている。それに気がついた誰かが、それを沈めた。多分、江ちゃん。
「おはようございます・・・。ぐっすり眠れましたか?」
少々微睡んだような笑顔を見せるその子。ベッドを借りてしまった私は、その天使の顔を上から見下ろすようにしていた。・・・一応断ったんだぞ、でもゴリ押しされただけだから、ほんと。
私もその笑顔に顔を緩ませて「おはよ。」と小さく言った。
彼女がベッドを貸してくれたお陰で、数日前から溜まり続けた疲れは何処かへといってしまったようだ。2日か3日ほどまともに寝ていなかったのだ。救いのような寝心地だった・・・!!
「ベッド借りちゃって、本当にすいません。」
「いえいえ、もういいって言ってるじゃないですか!あ、今日は部活も無いですし、一緒に下着とかもろもろ買いに行きますか?流石にずっとは貸せないので・・・。」
それはその通りだ。そして江ちゃんとお買い物など楽しそうすぎて、いかない訳がない。勿論と頷く。
下着に問題もあるしー・・・。
実は借りた下着は偶然にもサイズピッタリというわけでなく、多少お尻がキツかった。
が!!!!別に少しの忍耐力で着られた!!!!・・・・・・そして痩せようと心に誓うのだった。
2人で揃って既に用意された朝ごはんを食べた。久々の食事だと空き過ぎた腹に急いで詰め込みむせる。そういえば私って、腹が減り過ぎてすっかり腹が減ったことすら忘れていた。人間の体ってすげぇ!!!
そして親御さん(と言ってもお母様)にお礼をいうと、またも彼女の服を少しお借りして街へと繰り出したのだった。
***
「・・・あの。」
出てきた街は、電車で移動を行った故か彼女の住む街とは全く異なった都市が広がっていた。