第1章 穴無き穴と仲間達
ああ・・・あの人に・・・教えてもらわなくちゃ・・・。
あ、ばあちゃん・・・もーこの間は水なんかぶっかけるから大変だったじゃん・・・。私、許さないんだから。
・・・は?見せたいものって・・・。
何これ、・・・あ、私の学校のプールだ。
忘れてること・・・?いやそんなの無いけど・・・。
ちょ、ばあちゃんまた何その物騒なもの持って!!!ん?なんだただのデッキブラシー・・・
ぎゃあああああああ!!!プールに落ちるぅううううううううううううう!!!!!!!!!!!!クソババァアァアアアア!!!!!!!覚えてろよ畜生ぉおおおおおおおお!!!!!!!!
★5 この世に不思議なことなど何も(略)
「ハッ・・・・!!!!!」
畳の湿気た香り。私は嗅ぎ覚えあるその香りで胸を撫で下ろした。香しいカオリ。うん、周りの人間の心配そうな顔なんて浮世の夢ー・・・。
「ねぇ大丈夫!?妙美さん!!!」
「妙美ちゃんともっと仲良くなりたかったよぉおおお〜!!死んじゃやだぁ〜!!!ってあれ、ああ、生きてた!!生きてたぁぁああ!!!」
「お、お水、お水いりますか!?」
な訳ないですよねー★←
随分と騒がしい3人が、セミの声すら消し去るほどに歓喜の声をあげ始めた。あの、私は一応まだ他人位の距離感なんだけど・・・。
ああ・・・暑い。
「大丈夫です、大丈夫ですから・・・ちょっと疲れが出ただけで・・・少し離れてもらえますか・・・?」
「ああそうだね、ごめんね?」
周りが覆い被さるほどの距離をグイと離す。彼らが退くとふぅと一息ついた。
忘れてることー・・・。
死んだばあちゃんは、こっちで迷子にあってから毎晩のように出て来るわけだが、一体何があると言うんだろう。夢は深層心理がどうのこうのあるみたいだけどそれ?またそんなややこしいものについて考えなきゃダメなの?
ー・・・あ。
「・・・妙美・・・さん?どうかした?」
私が深刻そうに頭を悩ませているのを察したのか、真琴様が眉を下げた。
・・・可愛い。←
「いや・・・思い出したことがあって。」
「えっ!!何々、まさか天ちゃんの言う通りだったとか!?」
やっぱこいつ期待してんのか。と、葉月君のカワイイ目の輝きに一瞬の苛立ちを感じたがー・・・。